財政再建の議論が本格化社会保障改革が重要課題

摘要

安倍首相は2月12日の衆参本会議で施政方針演説を行い、経済再生、社会保障改革、地方創生などの重要課題について不退転で臨む決意を表明した。これにあわせ、財政再建に関しては、当面の目標である2020年度までのプライマリーバランスの黒字化に向け、政府の経済財政諮問会議が議論を本格化させた。具体的な歳出削減策には触れられていないが、高齢化の進展に伴って毎年1兆円程度増え続ける社会保障費が念頭にあるとみられる。こうしたなか、塩崎厚生労働相は、2月13日の記者会見で、20年後の医療政策ビジョン「保健医療2035」づくりに着手する考えを明らかにした。財務省主導の社会保障費削減に対抗しうる理念や政策を打ち出すことで、政府内での発言力を確保する狙いがあるとみられ、経済財政諮問会議の動きをにらみながら、夏ごろまでに取りまとめる方針だ。