1960 年代における大都市自治体の総合計画と都市像: 京都市長期開発計画案(1966)を事例に

摘要

本研究により、高度経済成長期の京都市において急速な都巿成長に伴う課題に対応すべく、企画部局の設立など組織的な動きがあったこと、特性として都市計画機能を強く有していたこと等が明らかになった。長期開発計 画案は大規模建設事業に計画の中心に据えるなど、空間像に強く依拠した計画であった。また基本的な方針として南部開発•北部保存とし、開発の対象として南部に事業計画などを構想したが、住宅•工業団地といった既成市街地の補助的な役割だけでなく都心機能を計画するなど、新市街地をヒエラルキー的に対等なものとして構想している点が特徴的であった。