対爆発物防護特殊車両に関する研究開発の現状と展望 〈その1〉MRAP車両の研究動向と課題

摘要

日本を取り巻く安全保障環境は、従来のような国家間における軍事的対立を中心とした問題のみならず、国際テロ組織などの非国家体も重大な脅威になっている。こうした中、外国での災害、騒乱、その他の緊急事態に対し、平成6年11月に自衛隊法が改正され、在外邦人等の輸送は自衛隊の任務として位置付けられるようになった。平成13年1月のアルジェリアにおける邦人に対するテロ事件では、空自特別航空輸送隊の政府専用機が派遣された。この事件を教訓として、同年11月には陸上輸送の手段に車両を追加するなど自衛隊法改正案が国会で成立した。平成15年2月には、多国間共同訓練において在外邦人等の輸送訓練として、海外で初めて陸上輸送訓練が実施されている。また平成25年11月、輸送手段への車両の追加、輸送対象者の範囲の拡大などを内容とする自衛隊法改正案が国会で成立、同月22日に施行された。