コンクリート外壁等のX線調査: X線調査の現状と適用上の留意点

摘要

高度経済成長期に建設されたコンクリート構造物は、メンテナンスフリーな構造物とされていた。しかし、近年コンクリート構造物内部の劣化メカニズムが解明されていくに伴い、補修、補強が必要となってきている。また、駅、空港、病院等の公共機関においては、築50年を超える構造物となり、老朽化が進み、リニューアル改修工事が行われている。近年では、震度6以上の大地震が日本各地で発生しており、耐震基準が見直され、基準が強化されたことに伴い、耐震補強工事も進んでいる。2018年に発生した大阪の地震では、施工不良によるコンクリートブロック（以下「CB」と記す）塀の倒壊が発生し、CB塀の調査、補強工事も進んでいる。