内閣府プログラム「レジリエントな防災•減災機能の強化」 —府省連携•目標の明示•社会実装というキーワードのもとで

摘要

研究における「選択と集中」はとても難しい問題です。今 の社会では、選択や集中を納得させるために、公正な評価と それを支える計量化可能な指標の提示が求められます。研 究とその成果の計量化は本来とても難しいのですが、最近よ く出てくるのが「経済合理性」、つまり研究成果がどれほどの 儲けにつながるかです。一方で、私たちの建築は「人と生 活の安全、安心、快適等に資する」ことを目的にしますから、 人間の思考や行動に沿った考え方が不可欠です。人間の 思考と行動はさまざまですから、当然のことながらわれわれ の研究も多岐にわたり、短期的な経済合理性だけでことを 決するわけにはゆきません。そんなもやもやした思いを持ち な力《ら、以下では、1)私が今関わっているプログラムの概 要、2)このプログラムにおける「選択と集中」の実行状況、 3)建築の研究と「選択と集中」にかかわる私見、を認めます。