病院施設における室内環境の衛生管理に関する研究: 第2報--外来待合室内浮遊微生物汚染の実態とその対策方法

摘要

本報では，冷房期における9病院の待合室内浮遊微生物濃度の測定結果，およびそれを基に行った待合室内rn浮遊微生物汚染の対策とそれに関連する空調設備設計のあり方についての検討結果を報告する。本研究より得rnられた主な知見は以下の通りである。rn待合室内の浮遊真菌の主な発生源は外気由来であり，病院環境の衛生管理を適切に行い，真菌の増殖を防ぐrnことが重要である。一九浮遊細菌については，待合室内での主な発生源は在室者自身であるため，院内感染rn（交互感染）のリスクを低減させるための対策が必要である。rn待合室のようなある特定の時間帯に多数のヒトが集まる環境にとって現状の空調設備の設計，即ち，エアフrnィルタの捕集性能，給気量が不十分であるため，室内浮遊細菌濃度が著しく高くなることがある。従って，免rn疫力が低下している患者へのリスク低減の視点からも，性能のよりよい設備を備えることがまず必要であり，rn微生物汚染を対策とする補助設備の導入などについての総合的な対応が必要である。