-Deniability に基づくプライバシを考慮したBitcoin の軽量クライアント向け承認済み取引確認法

摘要

Bitcoin は，中央集権による管理を必要としない，分散型の通貨システムである[1] ．Bitcoin の全取引履歴はブロックチェーンに記録されるが，スマートフォンのようなストレージが限られた環境向けに軽量クライアントが開発されている．軽量クライアントは，自身のBitcoinアドレスを入力したブルームフィルタをクライアントに送信し，そのブルームフィルタに陽性となる取引のみを転送してもらう．しかし，軽量型クライアントは高い確率で自身に関連するBitcoin アドレスを特定されるため，プライバシ指標に基づくブルームフィルタの設計が必要である[2]．本稿では，-Deniability に基づくプライバシを考慮した軽量型クライアント向け承認済み取引確認法を提案する．一定の-Deniability を達成するブルームフィルタの設計には，ある期間内の全取引に含まれるユニークなBitcoin アドレス総数が必要であるため，これを線形回帰により推定する．実データを用いた特性評価により，提案法によって任意の-Deniability を満たすブルームフィルタを設計可能であることを示す．