高性能マンガンシリサイド熱電材料の創製

摘要

チムニーラダー型構造を有する高マンガンシリサイド（HMS）は，安価で安全な元素で構成されている．しかも，比較的大きなゼーベック係数と金属的な電気伝導を示すことから，環境調和型熱電材料として期待されている．しかし，格子熱伝導度が実用材料と比較すると２倍程度大きいことに起因して，無次元性能指数はZT~_(0.5)程度に抑えられている．また，比較的よい性能を示すのはp型材料のみであり，対として利用するn型材料の開発も求められている．本研究では，エネルギー選択散乱効果によるゼーベック係数が増大することに加え，重元素部分置換による格子熱伝導度の低減を利用することでHMSの高性能化に成功した結果を報告する．