Alloy720 の熱間鍛造における再結晶に対するγ'相の影響

摘要

Ni基超合金は高温下での優れた疲労特性、クリープ特性、耐食性を備えており、超高温材料としてガスタービン材料に用いられている。Ni基超合金の強化機構は母相γ相中に整合析出するγ’相による析出強化である。それ故、機械的強度はγ’相の体積分率および粒径に大きく依存する。Alloy720の製造プロセスは主に熱間鍛造が用いられ、γ’相の再析出を利用することで結晶粒の粗大化を抑制し高温での加工性と加工後の強度の両立が図られている。これを高度化させる方法として鍛造プロセスの最適化が必要である。本研究では代表的なNi基超合金であるAlloy720について、熱間鍛造においてγ’相の有無、ひずみ速度、加工温度が再結晶組織及び再結晶率に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。