Ga 置換 La0.8Sr0.2MnO_3-δにおける熱化学水分解特性の評価

摘要

熱化学水分解は加熱?冷却に伴う金属酸化物の酸素空孔の生成?消滅を利用して水素を生成する反応であり、金属酸化物カチオンの酸化数が変化することで系の電荷が補償される。近年、ペロブスカイト酸化物であるSr添加マンガン酸ランタン（La0.8Sr0.2MnO_3-δ）が高い熱化学水分解特性を示し、1400?800°Cの熱サイクルにおいて9 ml/gの水素が製造できることが報告された[1]。水分解反応においてMn_2+, 3+, 4+の価数変化が重要な役割を担っていると考えられるが、その詳細は明らかでない。本研究ではMnの一部を3価のGaで置換することで、Bサイトカチオン種が熱化学水分解特性に与える影響を検討することを目的とした。