Ti-Al-Nb-V４元系の 1673~973K におけるβ/α/γ相間の相平衡とその計算による再現

摘要

γ-TiAl基合金の特徴は，多様な相変態を利用する熱処理性の高さにある．この特徴を最大限に利用するためには，広い温度域における相平衡に関する知見が不可欠である．すなわち，高温（1423 K以上）における相平衡，例えば，β-Ti+α-Ti/α 相境界温度はプロセス設計，また，α transus温度は組織設計の指針を与える．一方，低温（1373 K以下）における相平衡は，寿命評価を行う上で重要となる組織安定性に関する指針となる．我々は，これまでに，Ti-Al-M（M: V, Nb, Cr, Mo）３元系状態図を構築するとともに，そのTi-Al-M1-M~2４元系への拡張を，高温における実験及びその計算による再現によって試みてきた．その結果構築した熱力学データベース（DB）は，1423 K以上の高温において，β/ α/ γ 相間の相平衡を再現する．