高温圧縮変形により AZ61 マグネシウム合金に形成される組織と集合組織

摘要

Mg合金は軽量化、高振動吸収性、電磁波シールド性、リサイクル性等の優位性から近年電子機器の筐体や自動車部品等への適用が増加している。代表的なMg合金であるAZ系合金のうち展伸材として一般的なAZ31合金に比べ、AZ61合金は引張強度、耐食性、表面処理の多様性、組織の熱的安定性といった面で優れており、アルミニウム含有量を増大させたAZ80合金はさらに高強度である。しかし、Mg合金は一般に室温での成形性に乏しく、今後展伸材としての用途をさらに拡大するためにも集合組織制御による成形性の改善が望まれている。AZ61はAZ31及びAZ80の中間の組成の合金であるが、AZ31とAZ80の間で高温変形ならびに組織形成の挙動には大きな差異があり、両者の延長上でこの合金の挙動を予測することは困難である。そこで、本研究では高温圧縮変形によりAZ61マグネシウム合金に形成される微視的組織と集合組織の特徴の解明を目的とした。