高炉スラグを原料とする機能性材料の合成とグリーンケミストリーへの応用

摘要

高炉スラグは製鉄プロセスにおいて大量に副生成されており、H_2 4 年度における国内総生産量は2500 万トン余にも及ぶ。その多くはセメントやコンクリートなどの土木建築用材料として再利用されているが、生産量の増加、国内での処分場の不足、環境基準の厳格化などといった問題からその高付加価値化有効利用技術の開発が望まれている。高炉スラグは主成分としてCaO, SiO_2, Al_2O_3, MgO を含hでおり、適切な化学プロセスを施すことにより高付加価値材料へ転換されうる可能性を秘めている。我々はこれまでに、通常化学分野で用いられる無機合成手法を高炉スラグに適用し、高いリサイクル効率で安価に高機能材料へと変換する手法を開発してきた。例えば、高炉スラグをリン酸と水酸化ナトリウムで処理することで簡便に?????????????－??????複合体へと変換できる。1) また、塩酸を利用した処理を施すことでCa 系層状複水酸化物へと変換することができる。2) 本発表では、これら高炉スラグから機能性材料を合成するプロセスの詳細に加え、合成した材料群を吸着材?触媒材料に利用した環境保全、グリーンケミストリー反応への応用について述べる。