(0277)B2型Ti_(1+y)(Fe_(1-x)Mn_x)_(1-y) (0.2≦x≦0.5, 0≦y≦0.08)合金の水素吸蔵特性の合金組成依存性

摘要

高い体積水素密度で可逆的に水素を吸蔵·放出できる水素吸蔵合金は、エネルギー貯蔵媒体として期待されている。特に安価な元素で構成されるTiFe 系合金は体積貯蔵密度も97 g/L と高く、定置用水素貯蔵材料として有望である。TiFe 合金にはTiFeH~1 のβ水素化物とTiFeH~2 のγ水素化物が存在し、2 段階で水素を吸蔵する[1]。Mn を置換したTiFe1-xMnx (x≦0.3)では1 段目と2 段目のプラトー圧の差がMn 置換量とともに小さくなり、TiFe_(0.7)Mn_(0.3)では水素吸蔵時に1 段のプラトーでTiFe0.7Mn0.3H~2 まで水素を吸蔵するように見える[2]。そのため、Mn 置換量をさらに増加させると、水素吸蔵?放出反応における相変化挙動が変化することが考えられる。そこで、本研究では、Mn 濃度の高いTi_(1+y)(Fe_(1-x)Mn_x)_(1-y) (0.2≦x≦0.5, 0≦y≦0.08)の水素吸蔵特性の評価を行い、水素吸蔵特性に対する合金組成依存性を調べた。