(S0035)過渡?定常解析を用いた永久磁石の磁化反転シミュレーション

摘要

マイクロマグネティクス計算は、永久磁石の磁化反転や保磁力の機構を解明する上で極めて有効な手段である[1]。磁化曲線の計算では、一定の時間刻みで磁場を掃引し、LLG 方程式に従って磁化の時間変化を解く過渡解析と、磁化が充分収束してから次の磁場に移る定常解析が知られている。定常解析の方が信頼性は高いが、計算時間が長くなるため、大規模な計算には向かないと考えられてきた。一方、LLG 方程式に拠らず、エネルギー最小化のアルゴリズムを用いたシミュレータも開発され、定常解析の高速化が検討されている[2]。本研究では、同一モデルを用いて過渡解析と定常解析の両方で計算を実施し、それらを比較することにより、焼結磁石を模擬した微細構造モデルにおける磁化反転の大規模計算を実施する際の技術的な問題点を検討した。