(143-0223)放電焼結法により作製したグラファイト/銅複合材料の組織と熱伝導特性の関係

摘要

近年，半導体の高集積化，出力化や，LED の高輝度化に伴い，発熱による電子デバイスの温度が大きな問題となっている．温度上昇を抑える方法として，優れた熱伝導性を有する放熱板の開発が必要である．放熱板に求められる特性は，高い熱伝導率に加え，半導体と同程度の熱膨張，高温での高い機械的性質の付与など多様な性質を同時に満足させる必要がある．その為，金属基複合材料の利用が有効な手法であると考えられる．現在，SiC/Al 複合材料が多く利用されているが，より高い熱伝導性を得るには，母相にCu やAg を，分散材には，炭素材料を用いる必要がある．そこで，本研究では，優れた熱伝導性と価格優位性のある鱗片状グラファイトとCu の組み合わせに注目し，複合材料を得るとともに，鱗片状グラファイトの異方性が，複合材料の熱伝導特性に与える影響を明らかにすることを目的とした．