道に場所の感覚を創り出すための外部空間デザインに関する研究 既成住宅市街地における集合住宅の誘導手法

摘要

地区の特徴があまり明確でない、いわゆる普通の町や密集市街地では、将来像をどのように描き、地区を誘導していくかが課題とされている1〕。特に密集市街地においては細街路の拡幅整備、防災性能の向上(不燃化等)、共同イ匕•協調化が緊急の課題とされ、住環境整備にはデザインの入り込む余地がなかった2)。それらの整備とデザイン性の向上が関連性を持って実施されることで、地区の特徴がより明らかになり、地区の価値が高まり、これからの時代において選ばれる居住地となるのではないだろう力、。その有用な誘導ツールの一つとしてデザインガイドライン（以下、DG)に着目し、住環境整備を超えて、住環境マネジメント計画技術の空間整備手法としてDGを捉え、マネジメント手法としてDGに基づくデザインレビュ一が有効であると考える。DGは居住地の将来像（以下、居住地像と示す）の実現に向けて、地区の空間をどのように捉え、どのような魅力的なデザインを誘導していくかを示さなければならない气その際、DGは地区の空間的文脈を読み取り、将来に向けて何を守り、何を変化させるのかを示さなければならないと考え、本研究では、DGの策定方法を検討する上で、地区をどのように捉える力、、という点について2章で示す通り空間(1)を都市景観の基本単位として捉え、通り空間の種顔と状態をどのように捉えることができるかを明らかにすることを目的とする。