スモールバルジ疲労試験技術の開発: SUS316鋼の疲労寿命評価への適用

摘要

SBF　試験技術を疲労試験法として確立するためのー環として，SBF試験中のき裂発生·成長挙動とそのひずみ範囲依存性を調べるとともに，単軸疲労試験におけるき裂成長挙動と比較検討した.その結果，発生後のき裂サイズの増加は単軸疲労試験よりSBF試験の方がより顕著であり，二軸応力/ひずみ下におけるき裂成長の加速効果が認められた.また，繰返し数を疲労寿命で規格化すると，単軸疲労試験とSBF試験の両試験ともき裂サイズの増加挙動はひずみ範囲に依存しないことがわかった.SBF試験においては，き裂が平面側から凹面側に貫通するのは寿命のおよそ35%,き裂サイズが平行部直径(1.6mm)に到達するのがその2倍である寿命のおよそ70%と，ひずみ範囲に依らず同じであることも明らかとなった.