脆性材料におけるIF法によるラディアルタラックの応力拡大係数の評価モデル

摘要

アルミナやシリコン，ガラスなどの脆性材料の表面に圧子を押し付けると，圧痕まわりにマイクロクラックができる.このクラックの大きさから脆性材料の破壊抵抗である破壊靱性値を見積もれることができる.この方法を圧痕破壊法（Indentation Fracture Method，以下IF法）という.特にビッカース硬さ試験を行った場合には，荷重負荷時に圧痕底の前方に形成される円状の小さなミディアンクラックが除荷重とともに成長して半円の表面クラックとなるラディアルクラック（Fig. 5)の大きさから破壊靱性値を評価することがもっぱらである.圧子荷重Pに対して形成される圧痕の対角線長をd，圧痕中心からのクラック長さをCとすると，ラディアルタラックであることの条件はC/(d/2)>2.5とされている.このとき，ビッカース圧痕まわりのラディアルクラックの応力拡大係数(Stress Intensity Factor，以下SIF)の臨界値である破壊靭性値K_(IC)は一般に。