改良9Cr-1Mo鋼のTypeIVクリープ損傷指標としての平均結晶粒径とフラクタル次元の検討

摘要

火力発電所改良9Cr-1Mo鋼製高温蒸気配管でTypeIV損傷が問題となっており，余寿命評価方法が必要とされている.溶接熱影響部細粒域（HAZ)は結晶粒界が複雑に入り組んでいるが，クリーブの進行に伴い結晶粒の回復と再結晶が進むため平均結晶粒径が大きくなり，結晶粒界は直線に近い単純な形状になる.平均結晶粒径は初期値およぴクリープ破断時の値が分からないため相対的な損傷指標となる.そこで絶対的な指標として結晶粒界のフラクタル次元が損傷指標となる可能性を検討した.フラクタル次元とはフラクタル図形の複雑さを表す指標であり，結晶粒界はフラクタル図形である.フラクタル図形の例をFig.1に示す.