鋼単純鈑桁橋の実橋載荷試験と3次元FEM解析に基づく支承挙動検討

摘要

載荷試験の結果から，支承変位が大きい場合，主桁の支点部の圧縮ひずみはほとんど発生せず，支間中央引張ひずみも大きくなる傾向となった.支承の拘束状況を，支間中央ひずみの実測値にFEM解析値を整合させて試算した場合，70%〜90%の拘束力であった.FEM解析ではソールプレートの際に応力が集中しており，車両載荷状態により降伏応力度と同程度となる場合があるが，実際には，支点部の実測ひずみは解析値より小さく，降伏応力度を下回ると推定される.本橋は鋼H桁で等断面であるため，支点部の発生応力度は少ないと考えられる.今回の結果から，支承の腐食が軽微であっても，拘束力が高いことがわかった.今後は新設橋等のデータを収集·蓄積し，検討していく必要がある.